「もっと貪欲に」
香川は言う。
「僕としては、まあ、試合に絡めない状況からね、1歩ずつ、こう来ている中で、やっぱ次、勝ち取るためには結果が必要になってくると思うし、うーん…まあそういうところを、徐々に上げて勝ち取っていきたいなと思います」
まだまだ試行錯誤が続いているドルトムント。試合毎にメンバーは入れ替わり、確かにレギュラーは固定されていない。しかし、この選考過程の時期に「結果」を残さないと、いざメンバーが固まった時に「ポジションは取れない」だろう。
だからこそ、香川はゴールを狙ったのだ。
「今日、僕はまた改めてマルコ・ロイスを尊敬しましたね。ボールが欲しいタイミングで入るという意味では、やはり、ボールはもっと彼に入るし、そしてそれを決める。どんな形であれ。そこを見ていて『なるほどな』と感じさせるものは非常にあるし、信頼を得るにはこういうところで結果を残すことももちろんですけど、自分の得意なもの、形を、周囲にどれだけ示せるか、若い選手含めて多い中で、それをどれだけ示せるかは大事で。
まあ新しい選手も入って分からないことも十分あるんで、それをもっと貪欲に奪い取っていかないと。チームの中の1人として、チームのために戦うというのはある意味捨てていかないと、こういうチームではポジションは取れないと思うし。平凡でよければそういう考えがいいのかもしれないけど、勝ち残っていくには、そういうところを貪欲に思っていかないと」
終わってみればドルトムントは7-0で昇格チームに大勝。だが今季一番の快勝の中、香川はゴールを奪うことはできず、インパクトを残すことはできなかった。
ゆくゆくはポジションを確保するため、「もっと貪欲に」なる必要があるのだ。
(取材・文:本田千尋【ドイツ】)
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