決定機を逃した香川
決定機を逃した。劣勢のさなか、0-1で迎えた55分の右サイド。クリスティアン・プリシッチが、スティーブン・ツバーとステファン・ポシュを振り切った。しなやかなドリブルで突破する。折り返されたボール。スルスルとゴール前に入ってきた香川真司が、左足ダイレクトでシュートを打つ。ボールはエルミン・ビカクチッチの足に当たって、ゴールの左に逸れていった。
「試合に出ないとコンディションは上がってこない」。「激しい戦いの中でしか感じられないもの」がある。よって「試合に絡み続けないと」いけない。4日前のチャンピオンズリーグ(CL)・グループリーグ第1節、対クラブ・ブルージュ戦の試合後、そのように語った香川。その言葉どおり、22日に行われたブンデスリーガ第4節、対ホッフェンハイム戦で先発した。
[4-2-3-1]の布陣の中、背番号23はトップ下のポジションで出場。試合後にルシアン・ファブレ監督が「我々は最初の25分間は良いプレーをした」と話した序盤の戦いでは、バイタルエリアでパスを受けてすかさず前を向き、攻撃のタクトを振るった。ブルージュ戦での出場時に比べれば、コンディションは上がっているようだ。ドルトムントがボールを動かして敵陣に入っていく中、ピッチの中を広く動いて積極的にボールを引き受け、ビルドアップに貢献した。
もちろん全てが噛み合ったわけではない。29分、香川とマハムート・ダフートはパス交換で中央突破を図ったが、ダフートがマリウス・ヴォルフに送ろうとしたボールは奪われ、カウンターを食らう。35分、ウカシュ・ピシュチェクとマルコ・ロイスとの連係で右サイドを崩しにかかった場面では、香川がロイスに落としたヒールパスが少し長過ぎた。そもそもチーム全体が手探りを続けている。周囲を見渡せば、アクセル・ヴィツェルとダフートのダブルボランチ、左にロイス、右にプリシッチ、そしてワントップにヴォルフと、ブルージュ戦の出場時とも違ったメンバーだ。