決定機を逃し続けたエスパニョール
そして41分、ルカ・モドリッチが放ったシュートのこぼれ球を拾ったアセンシオがペナルティエリア左からシュートを打ち、これが決まった。エスパニョールのGKディエゴ・ロペスのポジショニングは決して悪くなかったが、それよりもアセンシオのシュートコースが完璧であった。レアルは待望の先制ゴールを前半のうちに奪い、少し余裕を持った状態で後半へ挑むことができたのである。
後半もレアルペースで試合は進んだが、前半と明らかに違ったのはエスパニョールのカウンターが徐々に効果を発揮してきたということだ。ボールを奪うと前線のエルナン・ペレスやパブロ・ピアッティにパスを供給し、その後ろからセルジ・タルデルやエステバン・グラネロといったセントラルMFの選手たちが後ろから追い越してくる。レアルのDF陣は人数的に不利な状況に追い込まれる場面が見受けられるようになり、多くのピンチを迎えた。
64分にはセルヒオ・ラモスが自陣深い位置でボールを失うと、それを拾ったボルハ・イグレシアスはそのままゴール前に向かい、GKクルトワと1対1に。イグレシアスは前に出ていたGKの頭上を越すループシュートを放ったが、これがクロスバーに嫌われ同点ゴールとはならなかった。
このように、エスパニョールはチャンスこそ作るものの、シュート精度を欠き、クルトワの壁を崩すことはできなかった。逆にレアルは、同点ゴールを奪われぬよう、マルコス・ジョレンテやルーカス・バスケスといった選手をピッチに送り出し、守りの態勢でエスパニョールに対応。そして自分たちの持ち味であるカウンターで相手の最終ラインをより深い位置まで下げさせた。
これにより、エスパニョールはビルドアップを開始する位置が深いため、なかなか相手陣内へ侵入することができず、最後までゴールを奪うことはできなかった。1-0で試合は終了し、エスパニョールは今季2敗目を喫した。
厳しい試合を制したレアルはこれで今季リーグ負けなしをキープ。暫定ではあるが首位に浮上した。