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C・ロナウド退場でも勝つ。疑惑の判定も何のその…ユーベがCL初戦で深める組織力への自信

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

疑惑の判定で10人に。それでも勝てた理由

 実際それを受けて、「微小なものでないとは言えない」と報じた地元メディアもある。TV中継でスタジオコメンテーターを務めていたアレッサンドロ・デル・ピエロ氏は「イエローカードがせいぜい」との見解を示した。この試合を見ていたであろうサッスオーロのMFケビン・プリンス・ボアテンクは「なんでレッドカードなんだ?」とSNSに書き記した。

 判定は判定で、主審の裁量に最大限の尊重を払わなければならないのがサッカーのルールだ。とはいえ、微妙なジャッジに左右された面が大きかった試合であった印象は否めない。ユーベの2点目のPKにつながるムリージョのファウル判定も厳しいものと言えるし、影響は両チームに及んでいたのだ。

 試合後、ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督は「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)があれば一助になったと思うのに」と語った。欧州地区の試合は広範囲に及び、統一した設備を整えられないことを理由にUEFAはVARの導入をためらっている。しかし今後の試合でも微妙な判定が続けば、導入を訴える声はますます増えるだろう。

 乱戦となったこの試合だが、制したのは60分以上を10人で戦ったユーベ。序盤に多くの決定機を作りながらも生かせず、おまけにC・ロナウドの退場と、流れを壊しかねない状況からもぎ取った勝利。そこにはやはり、ちゃんとした理由が存在する。チームのマネジメントと、組織守備の構築が巧みだったのだ。

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