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別次元だったクロースとイスコの脅威。ローマを粉砕、レアルが持ち合わせる“二つの顔”

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

圧巻のイスコとクロース

イスコ&クロース
ローマ戦勝利の立役者となったイスコ(左)とクロース(右)【写真:Getty Images】

 CL4連覇へ向け最高の船出となったレアル。この日、勝利の立役者となったのは、イスコとクロースだ。

 前者は、チーム3番目の数字となる69本のパスを出し、そのうちの62本を成功させている。また、シュート数もチーム3番目となる3本を放ち、タッチ数は90回を記録している。

 43分に直接FKを沈めてチームに待望の先制ゴールをもたらした点ももちろん評価できるが、左ウィングとして出場しながら中盤の位置まで下がってチームの組み立て部分で大きく貢献した点も大きな評価に値する。事実、決定機を作り出すパスを、全体でトップの5本繰り出しているのだ。持ち味であるドリブル、テクニックが見受けられる場面は決して多くなかったが、ロペテギ監督のサッカーを表現するのには申し分ない活躍だったことは間違いない。

 クロースの存在感はイスコを上回るほど圧倒的だった。同選手はチーム最多となるパス87本を記録し、そのうちの83本を成功させている(これもチームトップの成績)。タッチ数は驚異の104回という数字を叩き出しており、決定的なパスもイスコと並んで両チーム合わせてトップの5回繰り出している。

 パスの分野においてクロースの数字はすべて圧倒的であった。こうしたデータからもわかるように、背番号8はロペテギ監督のサッカーにおいて最も重要な存在であり、キーマンとなっていることは間違いない。もともとパスの正確性に定評のあったクロースは、新たなスタイルでさらに磨きがかかった印象を受ける。今後も、この男の活躍がチームをさらなる高みへと導いてくれるはずだ。

 CL4連覇へ向けて最高のスタートを切ったレアル。クリスティアーノ・ロナウドを失ってもなお強さを発揮する銀河系軍団の航海はまだまだ続く。

(文:小澤祐作)

【了】

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