支配率はわずか40%も…
トッテナムもなんとか細かいパス回しで局面を打開しようと試みたが、リバプールのハイプレスに散々苦しめられた。モウラの個人技でDF陣を何人か剥がすことには成功するも、その後の修正が速いリバプールに対して次の策を見つけ出すのは難しかった。事実、ホームチームはファーストシュートを放つのに28分もの時間を費やした。そのシュートも相手陣内深い位置で獲得したFKによるものだった。
そしてその勢いに圧倒されたまま迎えた39分、相手のCKをミシェル・フォルムが中途半端なパンチングで対応すると、こぼれ球を拾ったワイナルドゥムがヘディングシュート。枠に飛んだボールを一度ははじき出したフォルムだったが、ゴールラインテクノロジーにより得点が認められた。トッテナムは前節のワトフォード戦に続いてセットプレーから失点を喫したのである。
前半はリバプールがシュート6本を放ち、その内の5本を枠内へ飛ばした。対するトッテナムはわずか3本のシュートで、枠内に飛んだのは1本のみだった。
後半に入ってもアウェイチームの勢いが落ちることはなかった。そして54分、左サイドをマネが突破すると、PA内中央へグラウンダーのクロスを供給。ヤン・フェルトンゲンがなんとか足を伸ばしてボールに触れたが、それがポストに当たって跳ね返り、フィルミーノの下へ。背番号9は無人のゴールへ流し込んで2-0とした。
どうにかしてこの状況を打開したかったトッテナムは、エリック・ラメラやソン・フンミンを投入するなど攻撃に厚みを加えた。が、チームは中盤の位置でらしからぬミスパスを連発。それをアウェイチームに簡単に拾われ、カウンターへと繋げられた。こうするとなかなか攻撃に転じるのは難しく、ボールは支配できるものの効果的な崩しは見受けられなかった。
後半ATにラメラのゴールで1点差とするも反撃の狼煙が上がるには遅すぎた。トッテナムはこの試合で61%の支配率を記録するも、そのほとんどが自陣でのボールキープによるものだった。対するリバプールは支配率40%も、ハイプレスからカウンターへの一連の流れで相手を圧倒。まさに同クラブの真骨頂が随所に現れた試合だった。