今は指揮官の構想を想像する時。アジア杯で本領発揮を
その他に攻守でいくつか特徴的なプレーも見られましたが、基本的に今の森保監督は選手たちに制限をあまりかけず、自分の特徴を出させることを考えて、多くのことを求めてはいないでしょう。チームとして課題を修正するよりも選手を見極めている段階ですので、アジアカップまでの3ヶ月間は、今回と同じような形になるはずです。チームとしてのより細かい部分は、アジアカップ直前の合宿か、あるいは大会期間中に落とし込んでいく構想だと思います。
代表監督というのは「セレクター」ですから、これから誰が旬を迎えて波に乗っていくのかを10月、11月の活動を通して見極め、その選手たちの特徴によってシステムやメンバーを決めていきます。森保監督の場合は選手の特徴を出してもらって、その中から組み合わせやバランスを見つけていくタイプだと思います。
森保監督は段階を踏んでチームを作ろうとしているので、私たちもその構想を想像した上で見ていかないと、見方を誤ってしまいます。監督自身も日本代表を率いるのは初めてですから、海外の選手たちに対応するには、どんなシステム、どんな戦術、どんなアプローチが最も適しているのか、これからの試合の中で試していくでしょう。
コスタリカ戦ではチームとして対応に苦慮する場面があまりなかったので、その時の対処法を見ることができませんでした。これからの試合では、そうしたときにシステムをいじってみたり、戦術を微調整してみたり、あるいは選手にあえてそのままやらせてみたり、といった対応の幅をもたせるための試みを見せてくれるはずです。
それこそがロシアワールドカップのベルギー戦をコーチとして体感した森保さんが後任になった大きな意味の1つですから、10月、11月ではそのような試合となることを期待しましょう。
(分析:岩政大樹、構成:編集部)
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