充実すぎた今夏の移籍市場
もはやイタリア国内に敵はいない。圧倒的な戦力を誇るユベントスは現在セリエAで7連覇中。今季もリーグ優勝はマストであり、8連覇を逃せば失敗というレッテルを貼られてしまうだろう。
そのため今季のユベントスにおける最大の目標はチャンピオンズリーグ(CL)優勝だ。ここ4年間で2度の決勝進出、昨季はベスト8で姿を消す形にはなったが、最終的に王者に輝いたレアル・マドリーを最後まで苦しめるなど、欧州最高峰の舞台でもユベントスの強さは証明されている。同クラブからすれば、そろそろビッグイヤーを掲げたいところだ。
その目標を達成するべく、ユベントスは今夏の移籍市場で充実した補強を施行した。まずはリバプールからドイツ代表のエムレ・ジャンを獲得。プレミアリーグでもコンスタントに出場機会を得ていた実力者をフリーでチームに迎え入れたのは大きい。中盤の層により厚みが増した。
さらに、昨季よりチームの主力としてプレーしているドウグラス・コスタをバイエルン・ミュンヘンから完全移籍で獲得。バレンシアからは攻撃的SBのジョアン・カンセロを確保した。3バックと4バックを併用するユベントスにおいて、カンセロの加入は大きい。DFラインにはレオナルド・ボヌッチも復帰しており、より強固な守備を築くことができるだろう。
ジャンルイジ・ブッフォンが去ったGKの枠にはイタリア代表のマッティア・ペリンを迎え入れた。ヴォイチェフ・シュチェスニーとのポジション争いが繰り広げられることが予想されるが、どちらも控えに回ってはもったいないほどの実力を持っているのは明らかだ。
そして、目玉は何と言ってもクリスティアーノ・ロナウドの加入だ。言わずと知れたサッカー界のスーパスター獲得に費やした金額は1億1700万ユーロ(約153億円)。膨大な金額が動いたわけだが、レアル・マドリーで公式戦438試合に出場して450得点131アシストを記録した点や、銀河系軍団をCL3連覇に導いた功績などを踏まえると、約153億円という移籍金ですら安く思える。プレーでの貢献度ももちろんのこと、すでに本拠地であるアリアンツ・スタジアムの年間シートが完売になるなど、収入面でもクラブに多大な貢献をもたらすことができている。CL制覇を目指すユベントスにとってC・ロナウド加入はこれ以上ないプラス要素だ。何と言っても同選手は欧州最高峰の舞台にめっぽう強い。いよいよビッグイヤー獲得に、現実味が帯びてきた。
これに既存戦力であったマリオ・マンジュキッチやパウロ・ディバラといった選手が見事にマッチすれば、ユベントスはもはやどのクラブにも止められぬ圧倒的な破壊力を持つことになるだろう。もはや、欧州で最も力のあるクラブとなったと言っても過言ではない。