新主将・青山とのコンビで絶妙なバランス
もともとの強みだったボール奪取力や球際の強さがベルギー移籍によって鋭さを増し、攻撃面でもボールを触ってリズムを作ろうという姿勢が鮮明になった。圧巻だったのは、南野の2点目のお膳立てした中島とのワンツー。
「中盤をやる時に最近意識しているのは、奪ったボールをワンタッチでタテに入れるよさはありながらも、ボールを持って少しタメ作って展開していくといったプレー。両方の選択肢を持てるように意識している。あのシーンはドリブルで運びながら展開して、空いたスペースに出ていけた。シュートは拓実がうまかったけど、関わることができてよかった」と背番号6はリオデジャネイロ五輪の盟友と抱き合って喜びを爆発させたゴールシーンを振り返った。
日本代表にとってタテへの推進力を出せるようになったのは、間違いなく大きな前進だ。そこは8年間キャプテンの大役を果たした長谷部さえもコンスタントにやりきれなかった部分。遠藤航が新たな可能性を示したのは確かだ。
新主将・青山とのコンビも光っていた。4年前の2014年ブラジルワールドカップで長谷部とボランチを形成した時は、彼が今回の遠藤のように前からアグレッシブにプレスをかけたり攻めに関与して、長谷部が後ろからサポートする関係性になっていたが、今は青山がサポートの役割を担った。その援護射撃も「ポスト長谷部」を目指す背番号6にとって大きかった。
「航は強さを見せてくれたし、攻撃にもどんどん絡んでくれたんで、自分は後ろから掃除するくらいの感じだった。チームとしてそれが機能するのであればそれでよかったし、広島でもそういう形で今年はやっている。それが今の自分にできることかなと思ってます」と青山は神妙な面持ちで語ったが、お互いを補うようなバランスを初陣から見出したのは非常にポジティブな要素と言っていい。