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日本代表 6年前

南野・中島・堂安という新たな希望。森保監督が戦術に組み込んだ「ドリブル」という個性

text by 舩木渉 photo by Getty Images

激化する競争。森保監督がロシアで学んだこと

森保一
森保一監督はコーチとして帯同したロシアワールドカップで学んだことを自身のチーム作りに活用している【写真:Getty Images】

 ディフェンスの目線から見れば、常にゴール方向に臆することなく仕掛けてくる相手のアタッカーを脅威に感じないはずがない。もちろん長距離移動に加えて4日前に試合をしていたコスタリカが万全の状態ではなく、時間もスペースも豊富に与えてくれたことを割り引いて考えなければならない部分もあるが、ドリブルでの仕掛けをゴールに向かうプロセスの中に組み込めれば、それは日本にとって大きな武器になる。

 中島や南野、堂安、伊東といった“新戦力”の活躍ぶりは、ロシアワールドカップで主力を担った香川真司や原口元気、乾といった選手にも危機感を植えつけたはず。10月のパナマ戦とウルグアイ戦に向けて、今度は誰が生き残っていくのか。また新たな競争が始まった。

 堂安は「あれだけ結果、結果と言っていたので、不甲斐ない」と語り、南野も「今日のプレーは自分個人的にはまだまだ満足していない」と唇を噛む。あれだけの存在感を発揮しても、誰一人満足している者はいない。指揮官の要求のレベルが更に上がる、来月以降が本当の勝負だ。

 A代表を率いるようになってからの森保監督は「西野監督のアプローチは素晴らしいなと思いましたし、自分なりにロシアワールドカップの期間に経験させてもらえたこと、学ばせてもらえたことをチームに落とし込んでやっていきたい」と頻繁に口にしている。

 それは何か。先月末のアジア大会期間中の取材で語った言葉に、ヒントがあった。

「西野監督の日本代表に帯同させてもらったとき、ポゼッションというか、ボールを握って自分たちが攻めていこう、関わっていこうと言われてやっていましたが、でもダイレクトにゴールにいける時は、ゴールに向かって素早く攻めようというのはサッカーとして絶対にある」

 ハリルホジッチ監督が培った直線的なスタイルの一部を踏襲しつつも、従来通りのパスを多用するサッカーに戻してワールドカップを戦った、西野監督率いる日本代表。その戦いの中で、図ってか、図らずしてか大きな効果を発揮したカウンターアタック。その一部始終を見てきた森保監督流の発展型と、「個性の活かし方」がコスタリカ戦のピッチ上に表現されていた。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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