新たな1トップの形を示した小林
森保一新監督を迎え、新たなスタートを切った日本代表はコスタリカに3-0で勝利。ホームの親善試合とはいえ上々の“初陣”と言える。攻撃の主役を演じていたのは堂安律、南野拓実、中島翔哉が形成する2列目のトリオだ。南野は守備時は小林悠と2トップの関係だったが、攻撃時は1つ手前で左右から“逆足”で入ってくる堂安、中島と近い距離感のコンビネーションを築いており、時にドリブル、また時に速いコンビネーションによりコスタリカのディフェンスを翻弄した。
ロシアワールドカップでも乾貴士や香川真司、原口元気が躍動的な活躍を見せたが、親善試合というステージでありながら、個の推進力や創造性、イメージが共鳴した時の可能性などはさらなる進化の可能性を感じさせるものであったことも確かだ。ただ、忘れてはいけないのはそうした彼らの活躍を支えた周囲の選手の存在だ。できるだけ幅広くシンプルに彼らにボールを付け、奪われたときのリスク管理を心がけていた2人のボランチも良い仕事をしていたが、1トップの位置から3人の流動的な仕掛けを導いていたのが小林だった。
前半39分には遠藤のパスをゴール前に走りこみながら胸で落とし、南野の惜しいシュートを引き出すシーンもあったが、基本的には“地味な役回り”だったとも言える。しかし、相手ディフェンスをまともに背負わない様に動きながら、3人と近い距離で1タッチ、2タッチのつなぎをすることで、彼らが常に前を向いてボールを持てる様に心がけるポストプレーはさすがで、時間帯によっては2列目に降りて南野と逆の関係になるなど、日本代表に新たな1トップの形を示した。