伝統の継承、世代交代、未来への布石
ワールドカップに2大会連続で出場し、28歳にしてA代表通算71キャップを誇るDFクリスティアン・ガンボアも「若い選手が何人もチームに入ってきて、彼ら自身、このチームで成長しようとしている。僕らにとっていいことだ。コスタリカは世代交代の時を迎えていると思う。多くの選手が年齢を重ねて、変わり始めた」と時代の移り変わりを実感している。
プレミアリーグでの経験も豊富な左サイドバック、ブライアン・オビエドも「全員にとって非常に重要な試合になると思う。みんな代表に選ばれ続けたいと思っているし、それを掴むチャンスが今ここにある。日本戦ではもう少し個々の特徴を出さなければいけない」と、目の前の競争に気を引き締めていた。
彼ら2人はゴンザレス監督とともにU-20ワールドカップのベスト4を経験した選手たちで、ガンボアは練習後に監督とで話し込む姿も見られたが、若手が台頭してくれば決して安泰というわけにはいかない。
おわかりいただけただろうか。ワールドカップ後に国内事情に精通した人物が監督に就任し、世代交代が重要ミッション。そして多くの欧州組の招集が叶わず、国内組の若手にチャンスが与えられている…どこか日本代表と似ていないだろうか。
戦術面の変化も日本戦の見どころの1つ。コスタリカは近年、5バックをベースにした堅い守備から、前線のスピード溢れるアタッカーたちの速攻でゴールを狙う形をメインにしてきたが、今月7日の韓国戦では4バックが採用された。
結果的にはあまりうまくいかなかったが、センターバックタイプの頭数が足りていないことを考えると、日本戦も4バックの継続が基本路線だろう。それでも冒頭のみが公開された10日の前日練習では、いきなりスモールコートでの2対2や、攻撃2対守備1の状況から、シュートあるいはボールを失った瞬間に攻守が入れ替わり、1人増えて2対2になるメニューを見ることができた。
長く親しんできたシステムでなくとも、練習を見る限り、彼らがこれまでに培ってきた攻守の素早い切り替えを変わらず強く意識しているのは間違いない。日本は身体能力の高い選手たちを活かしたコスタリカの強烈なカウンターに警戒する必要がある。