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日本代表 6年前

中村俊輔の正統後継者現る!? 天野純が誇るJ屈指の左足の秘密、日本代表の新たな武器に

text by 舩木渉 photo by Getty Images

天野が蹴り分ける「横」と「縦」

天野純
天野純は5月のG大阪戦で直接フリーキックを決めた。それは「縦」のキックだった【写真:Getty Images】

 フリーキックの蹴り方にも体幹トレーニングの成果が見てとれる。天野はこれまで「真似していないと言ったら嘘になるので、やっぱり見て学んでいることもある。俊さんは左足1本で勝負を分ける選手なので、それは自分もマリノスにいるので、それを継承していきたいと思っているし、その責任は自分にあると思っている。もっともっと極めたい」と、マリノスの大先輩である中村俊輔への憧れを口にしていた。

 確かにキックのフォームは瓜ふたつで、天野曰く「ボールの軌道がちょっと違う」くらいの差しかなかったように見えた。左足を横方向に振り、ボールをこするように蹴り出して鋭いカーブをかけて落とす。だが、この蹴り方は不安定で、ボールが上がりきらないと壁に当たる、逆にボールが上がりすぎて抑えきれないとゴールのはるか上に飛んでしまう傾向があった。

 この「横」の蹴り方は、昨季の16本のうち10本で確認でき、壁に当てた本数や枠外に飛ばしてしまった本数の多さにもつながっていた。ところが今季は「縦」の蹴り方を多用することで、結果につなげている。

 昨季は主に長い距離からゴールを狙う場合に5度ほど確認できたが、フォーム自体はアップデートされて違ったものになっている。今季の天野は、左足を縦方向に思い切り振り、ボールに「ドスンッ」と音が聞こえそうなインパクトを伝えて重くて強いボールをきわどいコースに蹴りこめるようになった。

 まさにこれが体幹トレーニングの成果で、左足股関節の可動域が広がったことでボールに力を伝えるためのダイナミックな動きが可能となり、パワーが増したことで思いボールを蹴れる。左足の振りによって生み出された力が正確にボールに伝われば、しっかりと抑えたキックになり、ゴールのはるか上に飛んでしまうことも減る。

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