堂安、南野、中島のトリオに期待
つまり流れの中では堂安、南野、中島というテクニカルで創造性のあるアタッカーが2列目に3人並ぶことになり、実際に速いコンビネーションで崩していこうというシーンが早くも見られた。1人ひとりが個人で仕掛けて打開する能力もあるが、堂安は基本的にドリブルよりは3人目の動きやワンツーでのコンビネーションを生かしてゴール前に入っていくプレーを意識しており、南野も「(堂安や中島は)出して、欲しい時に出してくれると手応えを語っていた。
ボランチの青山と遠藤は1タッチ、2タッチをベースに前線の小林や南野に縦パスをつけ、リターンを堂安、中島に展開するのが組み立ての基本。イメージ的に前者が攻撃、後者が守備のイメージがしやすいが実際は遠藤の方がアグレッシブに攻撃に出ていき、青山はシンプルにさばきながらバランスを取るという役割分担が目についた。
ベルギーで得点も挙げている遠藤は中盤でのプレーにかなり自信をつけて代表に合流したことがよくあらわれ、相手チームの厳しいプレッシャーにひるむことなく前向きな組み立てから攻撃に絡んでいた。その分、森保監督のコンセプトを最も理解する青山がバランスを取るという関係は悪くない。
中盤で左利きの堂安が右サイドから、右利きの中島が左サイドから中に流れる傾向が強いことから、ボールを保持した時は、4バックのうち室屋と車屋の左右のサイドバックが高めの位置を取っていた。ただし、対面の伊東純也と伊藤達哉がタイトなディフェンスを見せ、特に右の伊東が車屋を厳しくチェックしたため、展開が右の室屋サイドに偏った部分があり、攻撃を狭める要因になっていた。
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