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日本代表 6年前

森保J、攻撃の生命線とは? 超激戦区の「2シャドー」で勃発する生き残りをかけた戦い

text by 元川悦子 photo by Getty Images

リオ五輪世代コンビとセレッソコンビの融合も?

南野拓実
南野拓実は同じリオ五輪世代の浅野拓磨の相方に最適【写真:Getty Images】

 そのツボを熟知する彼を重要な初陣で外すことは考えにくい。おそらくチリ戦の2シャドーの一角は浅野だろう。タテに速い男との共存を考えると、相方はドリブラーの中島や伊藤でも十分いいし、万能タイプの南野や堂安でもいい。レフティの天野も違った変化をつけられるだけに、誰と組んでもこれまでにない攻撃のバリエーションが見られるかもしれない。

 とはいえ、今の日本代表は準備期間が極めて短い急造チーム。浅野とプレーした経験が全くない伊藤や堂安、天野がいきなりスタメンで出るのはやはり厳しい。その点、中島と南野というリオデジャネイロ五輪代表時代の仲間たちなら違和感なく入れる。森保監督としても思い切って送り出せるだろう。

 さらに1トップに杉本健勇が入る場合は、かつてセレッソ大阪で戦っていた南野が陣取れば、前線3人の連係はよりスムーズになる。この日の非公開練習では浅野・南野・杉本の3人が前線を形成したという情報もあるだけに、どうやらこの組み合わせがチリ戦のスタメンに近そうだ。

「僕はシャドーでもできますし、FWでもサイドでもできる。チャンスをもらったところで自分の役割をキッチリ果たすことをまずは考えています」と南野は語っていたが、戦術眼の高い彼ならば、浅野のスピードある飛び出しや裏に抜ける動きを生かせるはず。森保監督も前々から見たかった南野と秘蔵っ子の浅野の成長を確かめることができて一石二鳥ではないか。

 リオ五輪世代コンビである程度の時間まで戦って、途中からドリブルで局面を変えられる中島を投入するパターンは、対戦相手のチリにとっても大きな脅威になりそうだ。特にヴァイッド・ハリルホジッチ元監督も中島のことは「流れを変えるジョーカー」と位置づけていて、今年3月のマリ戦、ウクライナ戦でも結果を出していた。監督交代の煽りを受けてロシアワールドカップ参戦は惜しくもならなかったが、中島は短時間でもゴールという結果を残せるタイプ。そこは改めて森保監督も確認しておきたい点だろう。

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