広すぎる「2シャドー」の選択肢
森保一監督体制の日本代表にとって初陣となる7日のチリ戦まで2日。合宿中のチームは5日、練習場所を試合会場の札幌ドームに移して本格的な戦術トレーニングに入った。
今回は公式戦ではないが、指揮官は静かな環境で選手を集中させたいと考えたのか、本番2日前から冒頭15分間を除いてメディアをシャットアウト。じっくり1時間程度を費やして3-4-2-1の約束事を徹底するとともに、紅白戦で連係面を確認したと見られる。
新生日本代表のスタートとなるゲームに誰が出場するかは非常に興味深いところ。その顔ぶれはまだ未知数ではあるが、指揮官にとって最も悩ましいのがシャドーのポジションだろう。今回の23人のうち、浅野拓磨、中島翔哉、南野拓実、伊藤達哉、堂安律の欧州組5人に加え、追加招集された左足のスペシャリスト・天野純、それ以外にも伊東純也や小林悠もシャドーをこなせる人材ということで、あまりにも広すぎる選択肢がある。
このうち、サンフレッチェ広島時代の秘蔵っ子である浅野は特に重要な人材だ。本人は「僕がシャドーなのか、前(1トップ)かっていうのは分からない」と前置きしつつ、「1つハッキリしているのはスペースへの飛び出しという自分の特徴をしっかり生かすこと」だとやるべきことを明確に整理している。
ただ、森保監督のシャドーのイメージは単に動き回ればいいというわけではなく、一瞬の狙いを持って動くことが肝心だという。「『タイミングを見て動く』というのを僕は広島時代にポイチさん(森保監督)から学んできたし、我慢して動かない時間も必要になる。アオ君(青山敏弘)のような一発のタイミングを意識してる選手に合わせるためには、前がそれを逃さないこと。僕はボールが出てくる時に必ず動き出すようにしたい」と浅野は重要ポイントを今一度、強調していた。