日本代表への影響は？

　日本代表への影響がまったくないと言えば嘘になる。先述した通り、UNLは普段国際親善試合を行っていた枠を削って開催されるため、日本代表が欧州勢と親善試合を組むことはできなくなってしまう。欧州勢の国際親善試合の枠がすべてなくなったわけではないが、UNLを戦いわざわざ日本代表やアジアの国々と親善試合を組んでもらえるのかと言われれば少々疑問が残るだろう。そもそもUNL開催を決めた理由は親善試合の注目度の低さを避けるためだ。そういった状況で日本代表が欧州勢と試合を組むのは今まで以上に難しいはず。今後、アジアと欧州各国のレベルがさらに広がっていく可能性も極めて高い。

　また、FIFAランキングにも大きな影響を及ぼしそうだ。同ランキングポイントの算出方法の中に、試合の重要度という項目が存在する。日本代表が今月7日と11日にチリ、コスタリカと対戦するが、それは国際親善試合として1ポイントに相当する。しかし、UNLはグループリーグで1.5ポイント、決勝トーナメントやプレーオフでは2.5ポイントが得られるのだ。

　近年は、ワールドカップ・グループリーグ組み合わせの際に重要となるポット分けもFIFAランキングが基準となっている。そのため同ランキングの重要度は年々増してきており、ただの順位付けという形ではなくなってきた。もちろん上位に食い込めばワールドカップなどで多少優位なグループに入ることも可能だ。

　ただ、UNLが開催されることもあり、日本が上位に食い込む可能性は今まで以上に低くなってしまった。逆に、ルクセンブルクなどといった国がUNLで大活躍し、日本の順位を越える可能性も高い。4年後のカタールワールドカップは出場枠が増える可能性が高いが、FIFAランキングで下位にいるということはその分、本戦のグループは厳しいものとなる。日本がワールドカップで悲願のベスト8進出を果たすのには、案外FIFAランキングも重要になってくるはずだ。

　日本と欧州の差は未だ広がったままだ。そして今後もその差は広がり続けるだろう。日本は何か策を打たなければならないかもしれない。

（文：小澤祐作）

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