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開幕近づくUEFAネーションズリーグって何? 欧州勢に最高の舞台、日本も危惧すべき新大会の実像

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

欧州勢にとっては最高の大会か

 ここまでの説明でわかるのが、欧州勢にとってUNL参加に大きなデメリットがないということだ。各リーグの実力は拮抗しているため、大差がつくような試合はあまり見受けられないだろう。また、降格制度もあるため、各国の代表チームは決して生ぬるい戦いなど演じるはずもなく、毎試合真剣勝負を繰り広げることが予想される。そのため欧州各国チームは、親善試合を行うより確実に力をつけることができるのではないだろうか。

 Dリーグに所属するルクセンブルクやラトビア、マルタといったこれまで国際舞台への縁がなかった国も、EURO出場権を得られる可能性があるというのがなんともポジティブな面だ。それによりEURO自体のレベルが下がってしまうのではないかという批判的な意見もあるが、近年力をつけEURO2016ではベスト8進出、ロシアワールドカップにも出場したアイスランド代表のようないわゆるダークホース的な国が近い将来出てきてもおかしくはない。

 出場枠が増加することが濃厚なカタールワールドカップへ向けても、UNLで力を付けることができるという面では、FIFAランキング下位の国にとっても大きなことではないか。

 また、プラティニUEFA元会長が親善試合の注目度が低くなっていることを危惧したが、このUNLによってその点の改善も見込めるのではないだろうか。日本での放送予定などは明らかになっていないが、現地のファン・サポーターからすればまったく新しい大会ということもあり、親善試合より関心度が高くなるのは間違いない。欧州各国のレベル上げ、そして国民の注目度の向上が見込める同大会は、UEFAにとっても大きな意味を持つものになるはずだ。

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