欧州組のリオ&東京五輪世代は何をもたらすか
中島にしてもヴァイッド・ハリルホジッチ監督から西野朗監督への指揮官交代によって煽りを受ける形になり、南野もハリル時代の2015年に2試合出場のチャンスを与えられながら長く代表から外れてきた。彼らリオデジャネイロ五輪世代はいずれも挫折経験を糧に森保ジャパンに参戦してきている。その悔しさと代表への強い執着心はこの全員に共通するものだろう。
「ロシアワールドカップのベルギー戦を見ましたけど、ホントにあと一歩でベスト8にいけなかったところがすごく悔しかった。『自分がここに立ちたい』という気持ちが強くなったし、だからこそ今、何かしらの活躍をすることが次のワールドカップにつながってくる。それに向けて今回は全力を尽くしたい」と南野は静かな闘志をのぞかせた。
彼はアルベルト・ザッケローニ監督時代の2014年、ブラジルワールドカップで予備登録メンバーに入った人間だけに、ロシア大会に絡めなかったことは深い傷として残ったに違いない。そういう過去を払拭するためにも、森保体制では違った立場を築く必要がある。
それは遠藤、植田、浅野、中島にしても同様だ。例えば遠藤であれば、ボランチのライバルには今回辞退した山口蛍や、若い井手口陽介がいる。長谷部誠が代表引退したからといって、席が用意されるわけではないのだ。センターバックの植田もロシアワールドカップのレギュラーだった吉田麻也と昌子源が控えているし、浅野と中島、南野が入るであろうシャドーのポジションも最大の激戦区。そこでサバイバルを制するためにも、欧州で蓄積している経験値を発揮するしかない。
遠藤が「ベルギーサッカーに慣れてきている」と自信を深めているように、他のメンバーもそれぞれの環境で成長を見せている。その成果をここで最大限出すことが生き残り、そして代表の活性化につながるはずだ。