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マンUに忍び寄るモウリーニョ政権崩壊の予兆? CB補強失敗と“3年目のジンクス”【欧州主要クラブ補強診断】

シリーズ:18/19欧州主要クラブ補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

補強・総合力診断

マンチェスター・ユナイテッド
マンチェスター・ユナイテッドの2018/19シーズン予想布陣(黄色は新加入選手)

IN
GK リー・グラント(ストーク・シティ)
DF ディオゴ・ダロット(ポルト)
MF フレッジ(シャフタール・ドネツク)
MF アンドレアス・ペレイラ(バレンシア/期限付き移籍期間満了)

OUT
GK ジョエル・ペレイラ(ヴィトーリア・セトゥーバル)
GK サム・ジョンストン(ウェスト・ブロムウィッチ)
DF ダレイ・ブリント(アヤックス)
DF ティモシー・フォス=メンサー(フルアム/期限付き移籍)
DF キャメロン・ボースウィック=ジャクソン(スカンソープ・ユナイテッド/期限付き移籍)
DF アクセル・トゥアンゼベ(アストン・ビラ/期限付き移籍)
MF マイケル・キャリック(現役引退)
FW ジェームズ・ウィルソン(アバディーン)

補強評価:D

 今季ユナイテッドに加入した新戦力のうち即戦力として獲得したのはアンドレアス・ペレイラとフレッジのみ。渇望していたAクラスのセンターバックの補強は、度重なる交渉失敗によって叶わなかった。

 ユナイテッドの今シーズンの補強の最大のポイントは、トップクラスのセンターバックを獲得し、最適なセンターバックの組み合わせを実現することであった。チームの守備力を上げ、プレミアリーグ王座を奪回するためには大黒柱となるような大型センターバックの獲得が必要不可欠であったが、いずれも交渉失敗に終わり、不安を抱えたまま移籍市場が閉じることとなってしまった。

 ブラジル代表としてロシアW杯にも出場したフレッジは、ウクライナの名門シャフタール・ドネツクからの加入することになった。中盤でリズムを生み出すパサーの役割を求められているが、開幕戦から3試合連続で出場した中で、不必要なパスミスやトラップミスが目立った。チームに馴染むにはまだ時間がかかることは間違いがない。

 チームの最大の補強ポイントであったセンターバックの獲得失敗、そして決して一流とは言い難い中盤の選手の獲得に終始した今季のマンチェスター・Uの補強は大失敗と言わざるを得ない。

総合評価:C

 チェルシーやレアル・マドリーを率いていた際につきまとった3年目のジンクス。ユナイテッドを率いて3年目となる今シーズンは開幕戦こそ勝利したものの、第3節トッテナムとの大一番を0-3で落とし、決して順風満帆のスタートとは言えず、指揮官の解任の噂も上がってきている。

 補強がうまく進まず、ほぼ昨年と同じメンバーで戦うこととなったマンチェスター・U。相手によってフォーメーションやメンバーを代えるスタイルは昨シーズンと変わらず。現時点でレギュラーを確定しているのは、中盤のポール・ポグバとマティッチ、右サイドバックのバレンシア、そして守護神のデヘアだけだろう。

 一番問題があるのは最終ラインだ。センターバックには、スモーリング、フィル・ジョーンズ、バイリー、リンデロフ、ロホと選手はいるが、不動のレギュラーと呼べるような一流の選手はいない。加えて、最適なCBの組み合わせも見つからないままシーズンがスタートしてしまった。

 センターバックに大きな不安を抱えるモウリーニョ政権3年目の今シーズン。悲願のプレミア優勝のためにはたくさんの課題が残されている。

【了】

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