相次ぐCBの補強失敗、モウリーニョ政権3年目は?
モウリーニョ政権3年目の今季のマンチェスター・ユナイテッドの目標は当然プレミアリーグ制覇だ。昨年はプレミアリーグ2位でシーズンを終えたものの、首位シティとは勝ち点差19ポイントと大きく離される結果となった。
悲願の優勝に向けて今季は、他のトップクラブに引けを取らない大型センターバックの獲得が切望されていたが、度重なる交渉失敗により一人も獲得することができなかった。新加入のフレッジ、レンタルバックのアンドレアス・ペレイラのみの補強で終えた。
覇権奪還のために総額1億6000万ユーロもの大型補強を行った昨シーズン。ロメル・ルカクは昨シーズン17得点を記録したものの、金額に見合うような活躍を見せることができていない。
特にルカクに求められるのは上位クラブと対戦した時にいかに決定的な仕事、つまりゴールを挙げられるかだ。格下クラブからのゴール量産のために獲得されたわけではない。ルカクの爆発なしではユナイテッドの優勝は難しいだろう。シーズン途中に獲得したチリ代表FWアレクシス・サンチェスに関しても同様のことが言える。
また、今季から背番号10を背負うマーカス・ラッシュフォードとジェシー・リンガードのイングランド代表コンビにも期待したい。ルカク、サンチェス、ラッシュフォード、リンガードに加えて、アントニー・マルシャルやファン・マタがいる前線は、豊富な人材が揃っていると言えるかもしれない。
しかし、この中から先発できるのは多くて3人である。最適な組み合わせを見つけることなくして、ユナイテッドの優勝はない。指揮官の手腕が問われことになるだろう。
フランス代表としてロシアW杯を制したポール・ポグバ、モウリーニョの愛弟子であるマティッチはチームに欠かすことができない存在である。事実、開幕戦でのポグバの貢献度は大きかった。
それだけに、リーグ戦、カップ戦、CLと過密日程の中でも活躍求められる両選手の負担を、エレーラやフェライニ、新加入のペレイラ、フレッジをうまく使って軽減させられるかが今シーズンのポイントでもある。
クリス・スモーリング、フィル・ジョーンズ、エリック・バイリー、ヴィクトル・リンデロフ、マルコス・ロホとセンターバックをこなすことができる人材はいるものの、他のライバルクラブに比べると小粒感は否めない。シーズンが進むにつれて守備陣の補強失敗の影響が出てくることが予想に難くない。
不安要素ばかりが目立つ今季のユナイテッドにおいて唯一のポジティブな要素は、左サイドバックのルーク・ショーが絶好調であることだ。イングランド代表にも選出された。右サイドのアントニオ・バレンシアとともにシーズンを通してチームに貢献できるかが注目される。
プレミアリーグ開幕から4試合で2勝2敗。トッテナムとのホームでのビックマッチを0-3で落とすなど、不安要素ばかりが目につくユナイテッド。崩壊しかけている守備陣を立て直し、3年目のジンクスを破ることができるか、モウリーニョの腕が問われる。