逸材ひしめくU19世代との融合を
ソン・フンミンらA代表の主力を加えたU-23のフルメンバーで挑んできた韓国相手に延長戦まで粘り、最後の最後で力尽きたU-21日本代表。J2勢と大学生を軸とした陣容で戦った2018年アジア大会でこれだけの成果を残せたのは、森保一監督にとっても収穫が大きかったことだろう。
「東京経由カタールという考えを捨ててほしい」と指揮官は今回のメンバーに語り掛けたというが、大会4得点を挙げた岩崎悠人や大学生ながら3ゴールと奮闘した上田綺世らアピールに成功した選手は確かにいた。7試合全てにフル出場した守備の要・立田悠悟らもA代表昇格を強く意識したはずだ。
16年前の2002年釜山大会で今回と同じ準優勝までたどり着いたチームからは、松井大輔や石川直宏、大久保嘉人が翌2003年にA代表初招集されており、8年前の2010年広州大会で優勝したメンバーを見ても山口蛍が2年後の東アジア選手権でA代表に抜擢されている。
今回の面々もすぐ昇格というのは難しいかもしれないが、来年あたりにチャンスをつかむ選手が出てくる可能性は皆無ではない。東京五輪世代の中核になりそうなメンバーがそこまで自信と経験値を深めたことは、今後の東京五輪代表、A代表のチーム作りを進めていくうえで確実にプラスに働くだろう。
今後の東京五輪代表の強化を見据えると、今回構築したベースに、10月にAFC・U-19選手権に挑むU-19世代を組み込む作業に入ることになる。U-19世代にはJ1で出場機会を得ている橋岡大樹や斎藤未月、郷家友太、久保建英といった逸材がひしめいている。彼らが来年ポーランドで開催されるU-20ワールドカップ出場権を獲得した後には本格的な融合が進むと見られる。
ただ、1つ気になるのは、影山雅永監督率いるこのチームが4バックをベースにしている点だ。