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日本代表 6年前

東京五輪世代から日本代表へ。森保Jならではの激しい競争、A代表に生き残れる選手とは?

text by 舩木渉 photo by Getty Images, Wataru Funaki

東京五輪に向けた競争も激しく

森保一
森保一監督はA代表とU-21代表を両立させ、結びつけながら、どのように「日本代表」を作っていくだろうか【写真:舩木渉】

 ここまで東京五輪世代とA代表の関係について述べてきたが、前者はまずU-21日本代表の中で生き残らなければ、その次のステップは見えてこない。森保監督は「これから先の東京五輪代表チームの活動において、もちろん絞り込みもしていかなければいけないと思いますけど、その都度の代表活動で色々な制限もあると思いますので、その時の最善の選択をしながらチーム作りを進めていきたい」と述べていた。

 ただ、森保監督はアジア大会でも「使える選手」と「使えない選手」をシビアに見極めていたように思う。ここであえて名前を挙げることはしないが、大会中に体調管理の甘かった選手、ウォーミングアップで気の緩んだ姿を晒した選手、チームに貢献するメンタリティを見せられなかった選手……「俺がやってやるんだ」という気持ちをピッチ内外で表現できなかった選手のことを、指揮官はちゃんと見ている。現にアジア大会でチームが勝ち上がっていく中、過密日程にもかかわらず出場機会がどんどん減っていった選手がいたのは事実だ。

 もちろんまだチャンスが完全になくなったわけではないが、東京五輪のエントリーは18人に絞られるだけに競争は今後より一層激しくなる。GK2人+フィールドプレーヤー18人の合計20人をエントリーできたアジア大会から2人減るだけでなく、そこにオーバーエイジ枠の選手も最大3人入ってくる。つまりわずか「15」の枠を、東京五輪世代で争うことになる。

 その競争には、U-21代表だけでなく、さらに下のU-19代表から絡んでくる選手も出てくるだろう。すでにトゥーロン国際大会で森保ジャパンに選ばれた経験を持つ浦和レッズのDF橋岡大樹や、昨年のU-20ワールドカップに飛び級で出場したサガン鳥栖のFW田川亨介をはじめ、ヴィッセル神戸で主力に定着したMF郷家友太、高校生ながらシーズン序盤は名古屋グランパスで主力だったDF菅原由勢、そして横浜F・マリノスに移籍したFW久保建英といったタレントも控えている。

 東京五輪まであと2年。アジア大会の銀メダルを経験した選手たちがどのように奮起し、自分を高めていくのか。そして今回はU-21代表メンバーに入らなかった選手たち、すでにA代表への挑戦権を掴み取った選手たち、さらに下の世代がどう絡んでくるのか。

 森保監督は「東京五輪経由のカタールワールドカップとは思って欲しくない。ワールドカップのアジア予選を戦う選手が東京五輪に出る」と話していた。つまり今の21歳以下の選手たちには、2年後にA代表クラスの実力になっていることを期待している。A代表監督と五輪代表監督が“兼任”になったからこそ起こる競争は、大きなうねりとなって日本サッカーを底上げしていくかもしれない。

(取材・文:舩木渉【インドネシア】)

【了】

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