Jリーグでの活躍が大きなチャンスに
欧州の競争に身を置くことが重要とはいえ、森保監督がJリーグ勢を軽視しているわけではない。それは今回の日本代表の招集メンバーや、追加招集された選手を見るとよくわかる。
例えばサンフレッチェ広島の佐々木翔は、まさに今季の活躍が評価されて日本代表初招集となった。森保監督は「国内組に関しては結果を出している、いいパフォーマンスを出している選手を招集している。翔に関してはリーグ首位を走る広島で、ディフェンスの部分、攻撃の部分を含めて、継続していいパフォーマンスを出している」と、広島時代の教え子の招集理由を説明していた。
今回は欧州組のシーズンが始まったばかりでロシアワールドカップ組の多くや、移籍したばかりの選手などを招集できていないが、多くの国内組にチャンスが与えられた。佐々木の他にはJ1で現在アシストランキング首位(『transfermarkt』調べ)のFW伊東純也や、FC東京で好調のDF室屋成、ベガルタ仙台でレギュラーを獲得した長身GKシュミット・ダニエルなど、これまで招集されながらチャンスに乏しかった選手たちにも、今季の活躍を見定めたうえで声がかかっている。
さらに負傷したMF山口蛍とMF大島僚太の代表招集自体にともなう、MF守田英正とMF天野純の追加招集も東京五輪世代の選手たちへのメッセージになるだろう。川崎フロンターレの守田は大卒1年目で、J1でも通算21試合にしか出場していない。横浜F・マリノスの天野も世代別代表歴は一切なく、27歳ながらJ1でレギュラーに定着して1年半ほどしか経っていない。
それでも追加招集の2人に共通しているのは、今季のJリーグで抜群の存在感を放っているということだ。守田は昨季王者のフロンターレでエドゥアルド・ネットから定位置を奪い、日進月歩の成長を見せている。天野もマリノスが低調な中でコンスタントな活躍を披露し、今季はすでに自慢の左足で直接フリーキックを2本沈めている。