「3年目」のジンクスを跳ね除けるか
トッテナム戦後、モウリーニョ監督の解任が噂されるなどマンチェスター・Uの状況は決して良いものではなかった。そのためこのバーンリー戦で勝利できたことは、何よりも大きい。とりあえずは同指揮官の解任もお預けという形にはなるだろう。ただ、課題は多い。まもなく開幕するチャンピオンズリーグに向けても、克服しなければならない点はいくつかある。
まずはCBの人選だ。ここまで4試合を行い、そのうちの3試合でCBのコンビを変えている点を踏まえても、まだ試行錯誤を繰り返している印象は否めない。バーンリー戦ではリンデロフとスモーリングという組み合わせだったが、フィル・ジョーンズやエリック・バイリー、マルコス・ロホといった選手も在籍しており、早めに最適な組み合わせを見出し今後へと繋げていくことが非常に重要だ。
もう一つは守備時の対応である。バーンリー戦でも見受けられたのだが、マンチェスター・Uはピッチ上11人の意思疎通ができていないようにも思える。例えば今節の守備時の対応を見てみても、前線のルカクやリンガードといった選手が相手に対しプレッシャーを与えているにも関わらず、後ろの選手たちはそれに反応しきれず、下がってくる選手に対しマークに張り付くことはできていなかった。それによって最前線の選手と中盤の選手の間にはスペースが空き、そこを使われるケースが多かった。言ってしまえばまだ中途半端な状態だ。ここも早めの修正が必要だろう。
チェルシー時代、レアル・マドリーを率いていた時代にもつきまとわった「3年目」というジンクス。今季はモウリーニョ監督がマンチェスター・Uを率いて3年目である。望んだ補強がうまくいかなかった点やフロントへの不満を漏らしている点を踏まえても、2007/08まで率いた第一次チェルシー時代とよく似ている。そんなジンクスを跳ね除けることはできるのか。一つ言えるのは、課題はまだまだ山積みだ。
(文:小澤祐作)
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