ついに実現した日韓戦決勝
「東京五輪に向けて、選手たちにとってもいいシミュレーションになる。1試合でも多く戦って、頂点に立つことを目標にやっていきたい」
先月3日のアジア競技大会に向けたU-21日本代表メンバー発表会見で、森保一監督はそのように語っていた。そのおよそ1ヶ月後、インドネシアでの戦いが始まってから19日目にして7試合目となる、アジア競技大会の決勝の舞台に若きサムライたちが立った。
相手は宿敵・韓国。全員が21歳以下のの東京五輪世代で大会に臨んだ日本に対し、韓国はオーバーエイジ枠3人を含めたU-23代表だった。ロシアワールドカップにも出場していたFWソン・フンミン、FWファン・ヒチャン、FWイ・スンウ、GKチョ・ヒョヌといった充実の戦力を誇り、今大会の優勝候補筆頭である。
当然のことながら、チームの総合力では韓国が日本を上回る。そのため試合前から劣勢に立たされることは容易に予想できた。そして、実際に試合が始まってもその通りの展開となる。
日本はこれまで通り3-4-2-1の布陣を採用。GK小島亨介、3バックに右から原輝綺、立田悠悟、板倉滉、右ウィングバックに長沼洋一、左ウィングバックに杉岡大暉、そして渡辺皓太と松本泰志がセントラルMFでコンビを組む。前線は2シャドーに岩崎悠人と三好康児、1トップに上田綺世が入った。準決勝で負傷したFW前田大然を起用できず、FW旗手怜央も体調不良でスタメンからは外れた。
韓国は準決勝のベトナム戦で2ゴールを挙げたイ・スンウをスタメンから外し、ソン・フンミンを左サイド、ファン・ヒチャンを右サイドに据える形でスタート。1トップには今大会9ゴールのファン・ウィジョが構える。
明らかに守備を意識した布陣で、ウィンガーとして高い能力を持つソン・フンミンとファン・ヒチャンが日本のウィングバックに圧力をかけて釘づけにしながら、時にカウンターでそのウィングバックの裏のスペースを突こうという狙いは見えていた。