この日のレイソルの厳しい状況がうかがえた場面とは
「前半は守備のところで自分たちからアクションを起こして、スイッチを入れて奪いに行くことがなかなかできなかった。そこを何とか後半、もう一回スイッチを入れ直して、自分たちから奪いに行くというところの確認をして入ったのですが、逆に前がかりになったところでカウンターを食らってしまった」
加藤望監督は試合をこのように振り返っている。しかし、前からプレスをかけても規制にはならず、立ち位置を微調整しながらパスコースを作り出す横浜FMの選手を捕まえられなかった。
「特殊な戦い方をする相手で、色々なバリエーションで攻めてくるのはわかっていましたけど、その精度も高かった。積極的にプレスに行っても剥がされてしまうケースが多く、剥がされた時にも結局、引くしかなかった」
ボランチの一角でフル出場した小泉は、この試合の難しさを口にした。局面をグループで巧みに打開してきた今節の横浜FMは、『個』の奮闘でどうにかなるチームではなかった。
レイソルで屈指のボール奪取力を誇る小泉は、前半こそ狙った形で奪うシーンを見せたが、後半は“後追い”に。相手にはいくつもの選択肢があるため的を絞れず、次第に遅れて対応する場面が目立つようになった。64分には天野純を引っ張り、イエローカードを受ける。
そして77分にも、小泉は天野のドリブルをファウルで止めた。これで与えたリスタートからレイソルは3失点目を喫している。失点自体はDFとGKの“お見合い”を突かれた形だが、背番号8が後手の対応をせざるを得なかった点に、この日のレイソルの厳しい状況がうかがえた。
【次ページ】レイソルが再確認すべきこと