東京五輪世代がA代表になるには…
A代表とU-21代表の兼任になったことで「世代間の融合」を掲げる森保監督は、今後4年間で日本代表の主軸になるであろうロンドン五輪世代からリオデジャネイロ五輪世代の選手たちに、東京五輪世代の若い選手たちを加えて競争させていくはずだ。
今回の日本代表メンバーにアジア大会参戦中の選手は含まれなかったが、そこからの追加招集の可能性についても示唆していた。「チャンスを与えられるべき選手にはA代表も経験してもらいたい」という兼任監督ならではの思いも当然ある。
とはいえ「チャンスは与えられるものではなく、自ら掴み取るもの」と森保監督は常々話している。一方で「選手には東京五輪経由のカタールとは思って欲しくない」と厳しい現実も突きつけた。
「カタールワールドカップに出られる日本代表、その予選を戦うA代表の選手が東京五輪に出て戦うということで、オーバーエイジも含めて考えて、競争してもらえればなと思います。じゃないと勝てない。メダルは獲れないと思います」
A代表が挑む4年後のカタールワールドカップに向けた強化と、U-23代表で臨む2年後の東京五輪に向けた強化を並行し、最終的にA代表の底上げを図る。その流れの中で、1997年以降に生まれた選手たちは自国開催の五輪までに「日本代表」として十分に戦える力を身につけていなければ、そもそも「五輪代表」になる資格すら得られないと考えるべきだろう。
そういう意味で冨安や堂安、伊藤は東京五輪世代の中心を担うことが期待されるだけでなく、すでに2年後にはA代表でコンスタントに活躍できるポテンシャルがあると評価されて、今回の初招集につながっていると言える。
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