リオ五輪世代の奮起は日本の原動力に
新体制の基本システムが3バックになること自体、遠藤の出場チャンスが増える要素になりうるため本人も歓迎だろう。ただ、クラブでは中盤で実戦感覚を高めている最中にあり、最終ラインで起用されて行くことが今後のプラスになるかは分からない。
3バックなら右ストッパーの方がやりやすさはあるはずだが、中盤との親和性を考えるなら、中央のリベロ的な役割で起用される方が今後の主力定着につながる可能性もある。まずは指揮官の代名詞とも言える3バックがベースになることはほぼ確実だが、オプションとして4バックが採用することも考えられ、例えば遠藤がリベロで定着すれば、メンバーを替えずにそのままアンカーに上げて4バックに変更するなどの融通も効きやすくなるのだ。
つまり単なる便利屋的なマルチロールではなく、流れの中でポジションと役割を変えられるスーパーマルチとして重用される素地がある。その意味で長身ながらボランチもこなせる冨安は体格の似た植田より遠藤のライバルになって行くかもしれない。
この3人に加えて今回はロシアW杯のメンバーから惜しくも外れた中島翔哉(ポルティモネンセ)や浅野拓磨(ハノーファー)、三浦弦太(ガンバ大阪)、室屋成(FC東京)、南野拓実(ザルツブルク)、三竿健斗(鹿島)といったリオ五輪世代の選手たちがおり、彼らの奮起が今後のA代表を活性化させていく原動力になることは間違いない。
(文:河治良幸)
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