「全ては自分が選んだ道で、そこで何を得るか」
――なでしこジャパンで結果を出すことによって、自分の決断や、それまでにやってきたことが正しかったと証明される側面もあるのではないでしょうか。
「この移籍は正しい、正しくない、成功だった、失敗だった…とよく言いますよね。でもそういうことじゃないと思うんです。全ては自分が選んだ道で、そこで何を得るか。環境を変えたことによって失うものがあるとしても、絶対に得るものの方が大きい。
自分の決断、チャレンジすることが一番大事。そこでしっかりと結果を出して、自分に自信をつけていくというか。もちろん私自身、自分に自信がないわけではないし、逆に自信があるわけでもありません。それよりも現実を見ているというか、自分の現状をしっかり把握できているかどうかが重要だと思っています」
――2014年にはU-17ワールドカップで優勝、2016年には同じ大会で準優勝、そして最優秀選手賞を獲得しました。世界を見渡しても、長野選手は間違いなく同世代のトップクラスを走ってきました。それでも自分に対する厳しさは以前から同じように持っていたのでしょうか。
「昔から変わらないですね。自分は全然上手くないと思いますし、課題が多すぎて、逆に『やるしかない』といつも思っているから、余裕は全くないです。努力してもっと自分の課題に向き合わないと、その先はない。そういう思いで練習しています」
――15歳でなでしこリーグデビュー、世代別代表でも飛び級という環境にいたら、自信が慢心に変わってしまう選手も多くいますし、そうなりやすい年齢でもありますよね。
「なでしこリーグで試合に出ていた時も、世代別代表でワールドカップに出ていた時も、本当に毎回毎回、どの場所でも自分より上の選手がいました。『上には上がいる』とよく言いますけど、そういう環境でプレーしていたので余裕もなかったし、自分の足りないところしか見えないという感じでした。いつも自分にできていることと、できていないことを分析していて、できていないことの方が多いから、そこにしか目がいかないというか…」