宿舎で取材に応じたU-21日本代表の森保一監督【写真:舩木渉】
現地27日に行われたアジア競技大会の準々決勝でサウジアラビアに2-1で勝利し、準決勝進出を決めたU-21日本代表。一夜明けた28日は宿舎でのリカバリーにとどめ、翌日に控えたUAEとの大一番に備えた。
この日は森保一監督のみがメディアの取材に対応し、決勝進出をかけた重要な一戦に向けて「選手にはこの短い期間でリカバリーしてもらって、リラックスしてもらって、(UAE戦で)パワーを発揮できるようにしてもらいたい」と厳しい戦いを勝ち抜いたチームをねぎらった。
サウジアラビアとの一戦を終えて、次なる対戦相手になるUAEの試合を視察したという森保監督は「相手は簡単にやらせてくれない。粘り強く戦ってくる」と警戒心を強めていた。決勝トーナメントに入ってから2試合連続でPK戦までもつれる試合をこなしてきた中東の雄に対し、一切の油断はない。
今大会に入ってから徐々にチーム状態が向上している日本は、マレーシアとの決勝トーナメント1回戦から、サウジアラビアとの準々決勝にかけて、負傷したDF原輝綺を除く10人を入れ替えずに臨んだ。それでも「先発の11人だけで試合に勝つとは思っていないですし、サブの選手が試合を決める、締めくくる役割をやって初めてゲームに勝てる。試合に出られなくて悔しい思いをしている選手はもちろんいると思うけど、みんなチームのために準備してやってくれている」と森保監督は強調する。
UAEとの準決勝はDF板倉滉が累積警告により出場停止で、原のコンディションも微妙な状態。最終ラインは過密日程の中で難しい舵取りが求められるが、森保監督は「みんながまずは『俺が中心になってやってやる』という思いも持ってやって欲しい。今はみんな疲労している状態で、怪我人も出てきて、じゃあ次に準決勝、勝ち上って決勝までいくためには、本当に『俺がやってやる』という思いを全員が持ってやって欲しい。そういうところを表現して欲しい」と、選手たちに奮起を求めた。
UAE戦はまさに総力戦。チーム全員が、これまで以上に一丸となって戦わなければ勝機は見えてこない。「みんな『優勝したい』という思いを持ってやってくれているのでここまで勝ち上がってこれたと思いますし、相手がどうであれ決勝に行きたい」と森保監督。アジアNo.1への道を切り開くための一戦は、29日の日本時間21時30分キックオフ予定となっている。
(取材・文:舩木渉【インドネシア】)
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