「なでしこで世界一」という明確な目標
――韓国へ移籍するにあたって、誰かに相談したり、アドバイスを求めたりしましたか?
「相談はしていないですね。相談するようなことでもないというか。全ては自分の道なので、自分で決めるだけという感じでした。これはお母さんの影響も大きいと思います。今回の移籍にも何も言わないで『頑張りなよ。自分で決めてみた道だからね』というだけで、応援してくれていますし、毎日LINEして、試合前は必ず電話しています。実は韓国へ行くことも『もう決まったよ』と事後報告でした(笑)
小さい時から自分の道は自分で決めてきたので、全部事後報告だったし、相談も全然しません。何かを決断するときに、もちろん『韓国リーグどうですか?』といった情報を事前に集めるのはすごく大事だと思います。でも、決断する時に周りに相談する理由がわからないというか…。自分がどう思うかでしかないと思っちゃいますね」
――19歳にして「全ては自分の道」と言える選手に初めて出会いました。
「自分がどうなりたいかという目標がちゃんとあるから、そこに向かって今何をすべきか考えたら、そのために決断するのが当たり前だと思っています。私には『なでしこジャパンで世界一』『世界で通用するプレーヤーになる』という目標があって、そのために物事は自分の中で自然に決まっていくんです」
――明確な目標があって、そこにたどり着くための「韓国移籍」という決断だったわけですね。
「韓国には自分が本当に求めていたものがありました。寮生活なのでご飯も作らなくていいし、チームの練習は午後なので、午前中はランニングしたり、筋トレしたり、1人でグラウンドに行ってボール触ったり足りないものを補うために時間を使えます。夜は英語や韓国語の勉強をして、毎日が充実しています」
(取材・文:舩木渉)
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