「全てにおいて自分の実力が足りなかった」
――今年の日本女子サッカー界の動きを見ていて、最も驚いたのが長野選手の韓国移籍でした。女子ワールドカップまであと1年というタイミングで、なぜ今韓国でのプレーを選んだのでしょうか。
「昨シーズンが終わった後のオフに3ヶ月間、チェルシー・レディースに練習参加させてもらいました。世界のトップを知りたい、それが純粋な理由でした。チェルシーにはヨーロッパからアメリカまで様々な国の代表選手がいて、自分がその中でやってみて、本当に力の差を感じたんです。
もし日本で大学に通いながら、1日に1時間半の練習量では2020年の東京五輪には絶対に出られないし、今年のフランスのU-20ワールドカップでも結果を残せないと感じて、『日本にいちゃダメだ、韓国に行くしかない』と思い決断しました。もちろん将来的にヨーロッパでプレーしたい気持ちもありますが、仁川現代製鉄レッドエンジェルスには韓国代表選手が10人くらいて、レベルも高いですし、サッカーだけに集中できる環境が整っています。日本にないものが韓国にはあると感じています」
――チェルシーで思い知らされたトップレベルとの差、それは具体的にどんなものでしたか?
「全てですね。自分と全てのクオリティが違いました。スピード、パワー、巧さ、最後のシュートを決めきる力、ディフェンスの1対1の強さ…全てにおいて自分の実力が足りませんでした。チェルシーのリーグ戦も毎試合見ていたんですけど、日本のリーグとは大違いで、レベルの差がありすぎて、ここでしっかりと自分のパフォーマンスを発揮できないと、なでしこジャパンに入ってワールドカップに出たとしても結果を残すのは難しいと感じました」
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