エレーラの奮闘。最高の前半を送ったマンU
赤いユニフォームを身にまとったサポーターは沈黙を続け、白いユニフォームを着たサポーターは歓喜に酔いしれた。プレミアリーグ第3節、マンチェスター・ユナイテッド対トッテナムの一戦が終了を迎えたオールド・トラフォードの様子は、まさにそのような感じだった。特に、ホームチームのサポーターのショックは大きかっただろう。この日の前半だけを見れば、マンチェスター・Uの勝利は確実かに思えたからだ。
開幕節のレスター戦、続くブライトン戦を4バックで戦ってきたマンチェスター・Uは、トッテナムとのビッグマッチで今季初の3バックを試した。最終ラインの3枚はフィル・ジョーンズとクリス・スモーリング、そして驚きだったのが、本来は中盤でプレーするアンデル・エレーラを3バックの一角として起用したことであった。
立ち上がりからホームチームはトッテナムに対し圧力をかけた。前半開始わずか10秒でフレッジがシュートを放つと、それに呼応するかのようにチームの勢いは増した。ロメル・ルカクとジェシー・リンガードは横並び、つまりは2トップのような関係になり、その2人をポール・ポグバとフレッジでカバー。サイドはアントニオ・バレンシアとルーク・ショーが効果的に使うなど、ブライトン戦では見受けられなかった厚みのある攻撃でトッテナムの守備陣を苦しめたのである。
守備もこの日、DFとしてコンバートされたエレーラが大きく奮闘。対峙したデレ・アリやルーカス・モウラといった面々を完全に封じ込めた。トッテナムの崩しのキーマンであるクリスティアン・エリクセンにはネマニャ・マティッチがしつこくマークに付き、自由を奪った。
得点こそ奪えなかったがマンチェスター・Uは45分間だけでシュート10本を放ち、被シュート数はわずか2本に抑えたのである。ホームチームのトッテナム封じは完璧だったと言えるのではないだろうか。