ポジティブにもネガティブにもなる「ディテール」
今季の初戦で幸運に恵まれたボルシア・ドルトムント。8月20日に行われたDFBポカール1回戦、対SpVggグロイター・フュルト戦。0-1で迎えた後半のアディショナルタイムは、“5分”だった。
終了間際にアクセル・ヴィツェルの同点弾で九死に一生を得ると、さらに1-1で延長後半が終わろうとする頃、マルコ・ロイスが勝ち越し弾を決め、辛うじて2回戦に駒を進めた。
もし、後半のアディショナルタイムが1分でも短かったら…もちろん運も実力の内だ。そもそもヴィツェルに相応の技術がなかったら、最後のチャンスを決め切れなかっただろう。しかし、2部のチーム相手の勝利のために、コンディションの整っていない新参者や運の力を必要としたのも事実。
試合後にルシアン・ファブレ監督が「突き詰めなければならないディテールがたくさんある」と述べたように、チームがまだ未完成であれば、総力戦となってしまったことは仕方ないところもある。今後チームをどのように構築していくのか、長期的な観点に立てば、「ディテール」=修正点はポジティブな要素と言えるだろう。発展の芽でもあるからだ。
だが、目の前の試合、つまり8月26日に迎えるブンデスリーガの開幕戦で、RBライプツィヒを相手にどう戦うか、という短期的な目線で見た場合、「ディテール」=修正点は不安要素にもなる。
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