次節は大一番
システム変更で最も恩恵を受けたのはクリスティアーノだったかもしれない。2トップの一角としてボールを追い、左サイドではパワーを前面に押し出して江坂の巧さと共に主導権の掌握に一役買った。そしてゴールに近い位置で相手の脅威となると、5月の第12節・湘南ベルマーレ戦以来の得点も奪った。
さらに伊東もネットを揺らし、初のケニア人Jリーガーとなったオルンガも初ゴールを記録。決めるべき人がきっちり仕事を果たした格好だ。また、中盤の底でタクトを振った手塚も芸術的な直接FKでネットを揺らしている。チームが鬱憤を晴らしたのは間違いないが、スタジアムに駆けつけたファン・サポーターのボルテージも最高潮に達した。
残留争いのライバルとのゲームが続く中、レイソルは大きな3ポイントを手にしている。今季はまだ連勝がないチームにとって、次節の横浜F・マリノス戦は文字通りの大一番になるはずだ。
長崎戦は先制点を献上しながら素早く気持ちを切り替え、逆転勝利を果たした。ゴールラッシュで自信を取り戻した選手もいるだろう。波に飲み込まれそうだったレイソルは浮上のきっかけを掴むことには成功した。次節でも勝利できれば、さらに弾みがつく。
「先制されたら負けてしまうケースが多い中で、今日は逆転して勝てて良かったです」
ボランチの一角で奮闘し続けた小泉は言った。この日の成功体験を、チームとして繋げていかなければならない。
(取材・文:青木務)
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