小泉慶が語った、5得点の要因

「前半に1点は欲しいと思っていた中ですぐに追いつけた。そこからは多分、みんなも行けるという自信があったと思います。先に失点しても、しっかりやっていけば取れると感じていたし、それが5点に繋がったのかなと」

　小泉はビハインドを背負っても気落ちしなかったチームの雰囲気について口にした。下を向かなかった一因には、それだけの自信と手応えがあったからだろう。試合開始から長崎が攻撃を仕掛け、レイソルは奪った後の質で上回ろうという展開だった。その中で失点後はボールを握って展開できた。［4-4-2］でスタートしたレイソルはクリスティアーノと瀬川が2トップを組み、江坂任が左サイドハーフを務めた。

「任くんが左に入って、左でうまく間で顔を出す選手がいたので、そこからの組み立てがいつもより多かった」と手塚が振り返ったように、レイソルは江坂とクリスティアーノのサイドで起点を作る。相手3バックの脇を突くと、そこからボールを動かし右サイドも効果的に使った。

　チーム最大の武器は小池龍太と伊東純也の右サイドだが、これまでは最初の選択肢が彼らで、『困ったら右へ』となることも多かった。それでも打開できるのは彼らのストロングポイントたる所以だが、この日は相手の“目線”を分散させられたため、より生きたと言える。

　各々が持ち味を発揮し、相手を上回ることができた。それは波に乗り切れなかったチームにとって何よりの良薬だが、次に繋げることが重要だ。