手塚康平がまず目を向けたこと
前節・磐田戦は相手のロングボールに手を焼き、対応策を見出す間もなく2失点している。
「ロングボールを蹴られて、川又(堅碁)選手に入った時のセカンドボールにもっと反応できたら良かった。でも、前からプレッシャーをかけにも行っていたので、自分たちの前にいる(相手の)ボランチの選手とかも潰しに行かないといけなかった。そこでどっちに行ったらいいのかと自分たちも迷い出てしまったので、なかなか難しかったです」
陣形は間延びし、中盤の選手たちはピッチを彷徨った。磐田戦の後、手塚は「難しかった」と何度も口にした。一方で今節は、長崎がそこまで蹴ってこなかったとはいえコンパクトさは意識して保つことができた。手塚は言う。
「がむしゃらに前から行くことも大事だと思うんですけど、自分たち(ボランチ)も前に出て相手のフォワードを使われるのは危ない。そこは自分たちが行けないと思ったら、例え瀬川(祐輔)くんとクリス(クリスティアーノ)が前に行っていたとしても自分たちは食いつかないでそこで止まって、相手フォワードへのスペースを消そうと。そこが今日はうまくコントロールできたかなと思います」
さらに背番号17は「ロングボールを蹴られた時に自分と(小泉)慶くんがすぐに戻ってフォワードを挟みに行ってセカンドボールを拾うとか、蹴られた後のボールを自分たちが取れたことが、ボールを持ち続けられた要因かなと思います」と述べた。
「ボールを持ち続けられた」という部分も前節と異なる点だ。“持たされた”のではなく主体的にボールを動かすことで勝利に結びつけたのが今節だった。その意味ではシステム変更、前線の配置転換も効果があったと言える。
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