地に足をつけて戦った90分
前半立ち上がりで試合が決まってしまった前節・ジュビロ磐田戦を思えば、V・ファーレン長崎をホームに迎えた柏レイソルにとって、先にスコアを動かされることだけは何としてでも避けたかったはずだ。
しかし開始11分、鈴木武蔵の裏抜けに対応が遅れると、強烈なシュートを突き刺された。またしても序盤でビハインドを背負うことになった。それでも、チームが浮き足立つことはなかった。
「早い段階で失点しましたけど、焦らずちょっとずつ、1個ずつやっていけば必ずチャンスは来ると思ったので、その時に仕留めれば大丈夫だと」
小泉慶はこう話す。手塚康平は「やっぱり多少、前節のことが頭を過ぎったんですけど、磐田戦に比べて今回は自分たちのペースでできていたと思います」と、1週間前との違いを説明した。注意しながらも序盤に失点したが、苦い記憶はすぐに振り払ったようだった。
すると、レイソルは21分にクリスティアーノのゴールで同点に追いつき、その3分後にも再びブラジル人ストライカーがネットを揺らした。前半のうちに試合をひっくり返すと、後半もゴールラッシュは続いた。
終わってみれば5-1の大勝。前節と同じ轍は踏まなかった。残留争いのライバルから勝ち点3を奪ったことには大きな意味がある。先制パンチを食らってふらつき、そのままノックアウトされた磐田戦とは大きく異なる点だろう。地に足をつけて戦ったレイソルにあって、光ったのはボランチコンビの手綱捌きである。
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