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日本代表 6年前

森保Jを救った大学生FW上田綺世。非凡なストライカーの才能、半端ないゴールへの執着と反骨心

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「日本の責任を背負って戦う」ということ

上田綺世
上田綺世は準々決勝以降もゴールネットを揺らし、日本に勝利をもたらせるだろうか【写真:Getty Images】

 高校卒業後、上田は法政大学に進学した。そこでは1年生にして主力に定着し、昨年の関東大学リーグ1部では12得点を挙げる大ブレイク。一気にU-20代表、U-21代表へと上り詰め、今年も早稲田大学のFW岡田優希と並ぶ8ゴールで関東大学リーグ1部の得点王ランキングでトップタイに立つ。ゴールを決め続ける上での原動力は「得点能力は誰にも負けたくないですし、負けているとも思っていない」という強い気持ちだ。

「(アジア大会の)グループリーグでは自分が決めなくても、チームメイトが決めてくれたので勝てたんですけど、やっぱりFWの良さってチームを勝たせられることだと自分は思っているんです。その反対にチームを勝たせられなかった時に責任が問われる。チームだけではなくて、今は日本を背負って戦っている以上、日本の責任を背負って戦うポジションだと思っているので、やっぱり1つひとつのチャンスをモノにできなければいけないし、決められなかったら次、次、と切り替えて、どんどんシュートを打って、決まるまで打てればいい」

 ゴールへのこだわりは人一倍強いのは承知の通り。そして、それは流れの中からのシュートだけでなく、1本のPKにまで及ぶ。

「ああいうの決めていかないと、チームを勝たせられるものも勝たせられないと思っていて。自分はPKが好きなんです。GKといわば1対1というか、駆け引きもありながら、自分が蹴ると決まった時点で決めるか外すか、最大のチャンスになる」

「やっぱり今日のPK1本を決めるか決めないかで、自分の『上田綺世』という株が上がるか下がるか、すごく大きいですし、自分の存在を大きくできるというのをすごく考えていたので、何としても決めたかった」

 高校最後の選手権出場をかけた茨城県大会の決勝で「これで優勝と選手権は決まりだ」という「変な余裕や慢心」に惑わされてPKを外してしまった教訓から、今では蹴り終わってボールがゴールネットを揺らすまで絶対に安心しない。マレーシア戦のPKも、GKとの1対1の勝負に真摯に向き合って、大仕事をやってのけた。

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