ソン・フンミンとイ・スンウも価値ある活躍
ゴールが生まれた瞬間から韓国には余裕が出始めた。守備が乱れる場面もあったが、それもカバーできるほどの余裕があった。そして、ここからソン・フンミンの献身性が光った。最前線はもちろん、サイドでもディフェンスを怠らなかったおかげで韓国の守備が活性化した。
ソン・フンミンの運動量がなければ、チーム全体のバランスが崩れる可能性もあった。ゴールこそなかったものの、チームのキャプテンとして、FWとしてやるべきことはすべてやっていた。2-0の勝利に彼の貢献も少なからずある。
しかし何と言ってもイラン戦の勝利の意味は、ゴールがどれだけ大事なのかを確認させてくれたことにある。少し手詰まり気味な時に出たファン・ウィジョのゴールでスタジアムの雰囲気が変わった。ここまで3試合4ゴールの大活躍を見せていた彼が、大一番でも勝負強さを証明したことにより、スムーズに試合を運ぶことができた。
初スタメンのイ・スンウも称賛に値する活躍を見せた。左サイドで積極的に仕掛けたのはもちろん、イランの選手に対する厳しいフォアチェックでムードを変えた。そして2人のディフェンスをかわしてのゴールシーンも素晴らしかった。この1点で韓国に余裕ができたのは否定できない。
そしてイラン戦の2ゴールが選手たちをプレッシャーから救い出した。「負ければ…」という心理的負担が選手たちにもあったはずだ。マレーシア戦、そしてキルギスタン戦はそのプレッシャーが表に出た試合だった。そこから2ゴールという素晴らしい形で勝利に引き換えたことは称えるべきだ。
試合が終わった後、キャプテンのソン・フンミンは「我々はスタジアムに出るのではなく、戦場に出てきている。我々は国を代表してここにきているのだから、この道のりがどれだけ苦痛だとしてもそれを克服しなねばならない」と語った。勝つべき試合で、韓国はゴールや無失点という結果で苦難を克服した。次戦はこの世代ではアジア最強とされるウズベキスタン。韓国の真の力が試される。
(文:キム・ドンヒョン)
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