森保ジャパンに足りないもの
ここまでバスケットボールの話をしておいて恐縮だが、フィリピン代表の「何としてでも逆転する」という強烈なメンタリティから、今まさに森保一監督率いるU-21日本代表に足りないものを感じた。
ベトナムに0-1で敗れた男子サッカーのグループリーグ最終戦。日本は序盤の失点を覆せないまま、特に前半は相手に圧倒され続けた。カウンターを食らえば決定機を作られ、なんとか防いでもクリアのこぼれ球を拾われて波状攻撃を受ける。丁寧にビルドアップを試みても、ベトナムのハイプレスに戸惑い、不用意なミスが増えて、またカウンター…。そんな流れが続いていた中で、選手たちはハーフタイムに監督から喝を入れられるまで、なかなか目覚められなかった。
「サッカーはやはりゴールを奪い合うスポーツの前に、ボールを奪い合うスポーツであるということ。球際の部分で前半は相手に上まわられたところがあった。後半は球際の部分でも選手の勇気や、絶対に球際に勝つんだという気迫というところ、ルーズボールに対しての予測などは前半よりもギアが上がったかなと思っています。技術的には持っている選手たちが多いと思うので、もう一度ベースの部分のボールを奪い合うところ、球際の部分があって、技術が活きてくるということ、選手には次に向けて今日の試合から学んでいく部分だと思います」
ベトナム戦を終えて、森保監督は「球際」の重要性を改めて強調した。決勝トーナメントに進めば、これまで以上に実力のあるチームが増え、当然「球際」の勝負も増えてくる。そこで「絶対に負けない」気持ちを、若きサムライたちはどれだけ出していけるのか。
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