アヤックスでプレーしていたアブデラク・ヌリ【写真:Getty Images】
昨年夏の練習試合中に心臓発作で倒れて昏睡状態となった元U-19オランダ代表のMFアブデラク・ヌリは、依然として自力で体を動かすことはできないものの、意識を取り戻して家族とコミュニケーションを取れるまでに回復しているという。同選手の兄がオランダメディア『NOS』に語った。
オランダの名門アヤックスに所属し、将来を期待される若手選手の一人だったヌリ。だが昨年7月8日に行われたブレーメンとのプレシーズンマッチ中にプレーと関係のないところで突然転倒し、意識を失った。病院へ搬送され一命は取り留めたが、クラブからは後日「完全回復する可能性はゼロ」だという発表が行われた。
ヌリの兄によれば、現在の同選手の状態は安定しており、「小さな前進」がみられるとのこと。「神経の状態は数ヶ月前より良くなっている。肉体的には衰えているが、それは単に動けないからだ。自分で体を動かすことはできず、頭しか動かせない」と兄は語った。
「昏睡状態にあった時は目を閉じていたが、徐々に覚醒してきた。12月か1月頃からは意識レベルが改善し、ある種のコミュニケーションが取れる。たとえば『口を開けて』とか『まばたきで返事をして』といったようなことに応じてくれる」
現在21歳のヌリはアヤックスの下部組織で頭角を表し、2016/17シーズンにはセカンドチームの年間最優秀選手に選出された。その年9試合に出場したトップチームでも本格的にプレーを開始しようとしていた矢先の事故だった。プレー復帰は難しいとみられているが、可能な限りの回復が願われるところだ。
【了】