バチュアイの後釜を獲得できず
また、プリシッチやロイスの決勝点をアシストしたジェイドン・サンチョのドリブル突破も目立ったが、こういったサイドアタッカーの思い切りの良い仕掛けも、“ファブレ=ボルシアMGらしさ”の1つである。
これから選手間で連係が深まり、スムーズな連動が実現できれば、自然とゲームの中でこれらの“ファブレらしさ”が発揮されるようになり、未完のチームは完成へと向かっていくのかもしれない。
しかし、フュルト戦に先発したメンバーとそのパフォーマンスを踏まえると、仮にチームが完成したとしても、例えばチャンピオンズリーグを戦うことができるのかどうか、疑問を抱かざるを得ない。CBソクラティスは今夏、アーセナルFCに移籍した。昨季の後半戦にチェルシーFCからレンタル加入したミチ・バチュアイの後釜となるFWは、現時点で獲得できていない。攻守の要が抜けた穴を埋めることができていない。
ブンデスリーガを戦うだけであれば、今夏に獲得した選手たちで十分かもしれないが、昨季に比べてスケールダウンの感は否めない。今季も4位以内で終えて、来季もCLの出場を目指すのであれば、相応の困難を覚悟する必要があるだろう。
苦難のシーズンを予感させる、DFBポカールの1回戦、2部所属フュルト相手の苦戦だった。
(文:本田千尋【ドイツ】)
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