チームを救った中国からの新参者
何せ未完成なのだ。相手が2部所属でも、苦戦は驚くべきことではない。8月20日に行われたDFBポカールの1回戦。ボルシア・ドルトムントは、延長後半の終了間際のマルコ・ロイスの決勝弾で、ようやくSpVggグロイター・フュルトを振り切った。スコアは1-2。辛勝だった。
試合開始からギアを上げてフュルトのゴールを目指したドルトムントだったが、訪れたいくつかの決定機をモノにできず、前半を0-0で折り返す。飛ばし過ぎたためか、後半に入って全体が間延びしてくると、フュルトにシュートまで持って行かれる場面が増えてくる。一方で前半と同様、その間に訪れた数々のチャンスを決め切れない。
60分、クリスティアン・プリシッチのシュートは左のポストに嫌われ、75分にはマフムート・ダフートの縦パスを受けたロイスがGKと1対1の場面を迎えるが、ここも決め切れず。チャンスをフイにし続けるドルトムント。
すると77分、フュルトに先制弾を食らう。漂うジャイアントキリングの気配――後半のアディショナルタイムも5分に届こうとしていた。嫌なムードを払拭したのは、中国からやってきた新参者。ロイスが左から上げたクロスを、アクセル・ヴィツェルが右足ダイレクトで叩き込んだ。
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