さらなる成長へ、大物ストライカーが刺激に
「非常に余裕を持ったゲーム運びができた。特に上原と山田のところは、トレーニングではもちろん何度も試している組み合わせではありますけど、(公式戦では)即席もいいところでした。これだけ怪我人、出場停止者が出た中で100点以上の答えを出してくれたと思います」
互いの立ち位置を見ながら、上原と山田はピッチの各所で存在感を示した。指揮官の言葉を上原に伝えると、彼の口から出てきたのは山田との関係性やチーム全体についてだった。
「柏はセンターバックやボランチの縦パスで攻撃のスイッチを入れるので、中を締める意識は大記くんも僕も強く持っていました。チームとして守備から行こうという意思統一があった中で、1~2本は崩されたんですけど、無失点で終えられたのは次に繋がるんじゃないかなと思います」
上原は、集団としていかに戦ったかを説明した。この日の柏戦が今季リーグ戦19試合目の出場で、スタメンは12度目だった。「やっぱり1試合1試合の責任というのはすごくあります。いろんな意味で自覚と覚悟が芽生えたし、そういうプレーをしなきゃいけないなと思っています」。自身のパフォーマンスに一喜一憂する時期はとうに過ぎたのだろう。試合を振り返る言葉、話し方、そして表情からは自信だけではない確固たるものが感じられた。
それでもまだ21歳と若く、今後大化けする可能性も秘める。そんなポテンシャルを持った上原を刺激する存在の一人が、この夏にサックスブルーの一員となった大久保嘉人だ。
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