悔やまれる試合開始直後の失点
試合が始まる前、スタジアムの中で警備にあたっていたインドネシアの軍人に話しかけられ、「今日の試合はベトナムと日本、どちらが勝つか」と問われた。こちらとしてはもちろん「日本」と答える。
すると彼らも「俺たちも日本だと思う。グッドチームだな!」と笑顔で応じた。だが、現実は甘くなかった。ベトナムは前評判通りの実力を備えた、日本以上の「グッドチーム」だった。アジアでも同世代なら「ベストチーム」に近いかもしれない。
19日に行われたアジア競技大会のグループリーグ第3戦で、U-21日本代表はU-23ベトナム代表に敗れた。開始早々の2分にゴールを奪われると、取り返すことができずに完封負け。両者ともに決勝トーナメント進出を決めた状態での試合だったが、この結果によりベトナムは首位で、日本は2位で次のステップへと進むことになった。
ベトナムは1月のAFC U-23選手権でアジアの準優勝に輝いたチームがベースで、今大会はオーバーエイジの選手も起用している。とはいえスタメンの約半数は1997年以降生まれの、いわゆる「東京五輪世代」。日本とさほど条件が違うわけではなかった。
序盤から積極的にプレスをかけてくることも予想していた。それでも2分、GKオビ・パウエル・オビンナからMF神谷優太へのパスを狙われ、ショートカウンターで一気にゴールを陥れられた。オビは「後ろからつないでかわしていこうとしていた。でも、あの場面はやはり大きく蹴るべきでした」と自らの判断を悔やんでいた。