直近2試合とは異なる、イニエスタの真骨頂
直近2試合では自ら相手の守備を“破壊”し、今回は味方のチャンスを作り出した。バルセロナ時代はどちらかと言えば後者のプレーが真骨頂だった。イニエスタがその瞬間に見ている絵、そして数秒先の未来を描いた絵を、神戸の選手たちが共有しているということではないだろうか。
再来日後、これで3試合連続フル出場となった。今回の湘南戦は何度かボールロストがあり、疲れもあるのかもしれない。しかし、ファウルを受けるシーンも多く、マイボールでのリスタートを手にしている。その点でも、どんどんチャレンジしてくる相手のスタイルを見極めてプレーしていたと言える。
アグレッシブに相手ゴールを目指していたのはホームチームの方で、16:7というシュート数にも表れている。それでも、神戸はチャンスの場面で確実にスコアを動かして試合を決めた。3位との勝ち点差はまだあるが、ここでしっかり3ポイントを取れたのは大きい。加入後初めて白いユニフォームを纏ったイニエスタも、アウェイの地で真骨頂を見せつけている。難しいことを簡単に――。その高度なプレーでチームの勝利に貢献した。
(文:青木務)
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