フットボールチャンネル

Jリーグ 6年前

イニエスタが見せた真骨頂。難しいことを簡単に、しかも正確に。相手の意思を逆手に取る巧さ

明治安田生命J1リーグ第23節が19日に行われ、ヴィッセル神戸は湘南ベルマーレに2-0で勝利した。フル出場を果たしたアンドレス・イニエスタは、約1ヶ月前の湘南戦とは異なるプレーでチームを動かしている。(文:青木務)

text by 青木務 photo by Getty Images for DAZN

ゲームメイクで違いを生み出した

180820_ini1_getty
アンドレス・イニエスタはフィニッシュの数手前で存在感を発揮した【写真:Getty Images】

 スコアレスで迎えた37分、新加入の長沢駿が頭で落とすと、三田啓貴が抜け目ない動きと個人技からネットを揺らした。後半にも1点を追加したヴィッセル神戸が湘南ベルマーレに勝利。先制点の場面で長身FWの頭にピンポイントのボールを送ったのが、アンドレス・イニエスタだ。この日、元スペイン代表はフィニッシュの数手前で存在感を発揮している。

 7月22日にノエビアスタジアム神戸で行われたホームでの第17節・湘南戦、イニエスタはJリーグデビューを果たした。この時はビハインドの状況で後半途中からピッチに立つと、約36分間で見せ場を作っている。特にアタッキングサードで違いを生み出しており、今後もフィニッシュに関わるシーンが増えるだろうと予想された。

 実際、スペインへの一時帰国から再合流して迎えた第21節・ジュビロ磐田戦では、芸術的なターンから相手を無力化し、初ゴールを記録。続くサンフレッチェ広島戦でも強烈なミドルシュートを突き刺し、2試合連続ゴールとした。フィニッシャーとしても一流ということを証明する結果となったが、この日の湘南戦ではまた違った姿を披露している。

 ロングボールを織り交ぜながら前に出てこようとする相手に対し、神戸は様子をうかがう。スタメンや人の配置に変化があったことでチームとしてアジャストしているようだった。そして、少しずつ神戸がギアを上げていく。その中で、イニエスタは主にゲームメイクを担っていった。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!