「現実的にはあと10人の本田が必要」
質問(3)では、Aリーグの勧進元であるFFAと『FOXスポーツ』とが共に賄うファンドが使われることで実現した今回の契約について、本田は果たして「ゲスト・マーキー」での獲得に相応しいのかを聞いてみた。
その答えは、「分かり切ったことを聞くなよ」と言われんばかりに異口同音で同じだった。
「本田は、ゲスト・マーキーに他にはいないほどにうってつけの存在。世界的な知名度があり、豪州のサッカーファンのほぼすべてが日本代表での彼の存在の大きさを知っている。世界的な実績という意味ではデル・ピエロには劣るが、それでもクラブとリーグにとって素晴らしいマーキーなのは間違いない」(ウィリアムズ氏)
ルガリ氏に至っては「間違いなく相応しい。彼はビッククラブでプレーしてきた。豪州の最大のライバル・日本のエースで、ワールドカップで3大会連続のゴールを記録している。アジアのマーケットにも強くアピールできるし、彼はマーキーとして完璧だ」と、日頃のシニカルなツィートからは信じられないほどの絶賛ぶりである。
質問(4)で、「本田獲得のメリットとデメリットを挙げてほしい」と聞いたのは、正直、誤った。
ルガリには、「メリットは、もう他で答えてる通り!」と指摘されて、平身低頭。そのルガリは「デメリットは本当に思いつかないんだよ! 290万豪ドル(約2億3000万円)の年棒だって妥当、いや、彼ほどのキャリアの選手なら手ごろ感もあるくらい」とデメリットに関してもシンプルな回答を寄せてくれた。
唯一のデメリットを挙げたのはタッカーマン氏。曰く、「おそらく経営規模の小さいクラブのいくつかは、メルボルン・ビクトリーのようなビッグクラブがFFAやFOXスポーツの金銭的支援を受けて本田のようなスター選手を獲得すること自体にハッピーでないかもしれない。でも、Aリーグを本当に盛り上げるには、現実的にはあと10人の本田が必要なんだが…」と現在のAリーグの置かれた状況への危機感を隠さない。